準備をして、大きなワンボックスカーに乗り込む。
運転は涼さんだ。
「みんなちゃんと座れたね?出発するよ!」
「はーい!」
そんな元気のいい返事にみんなで笑いつつ向かう先は別荘から車で二十分ほどにある、有名なゲレンデだ。
着いてそうそうに、そこに降り立ち見た景色に思わず声が出る。
「ここ、テレビで見たことある!」
「そう言えばちょとちょこ中継とかあるもんね!」
なんて話しつつ準備をしてスノボへと初挑戦。
おっかなびっくりしてたのも三十分ほどで、私は一時間後には初級コースを滑り下りられるようになっていた。
「咲ちゃん、やっぱり飲み込み早いよね」
悠くんは、そんなふうに褒めてくれる。
「そうかな?悠くんと一緒に滑りたいから夢中になってただけだよ」
そう返すと、ギューって抱きつかれた。
「可愛いがすぎる!!」
ちょうどそばに居た涼さんと智子さんにはそりゃニヤニヤと見守られてしまった。
「悠くん!!」
私の叫びに智子さんが涼さんをバシバシと叩きながら言う。
「もう、可愛いったらないわね!これぞ、青春!って感じよね!」
「智子、痛い。まぁ、微笑ましいのは分かるよ」
と大人にからかわれる私たち。
「仕方ないだろう!こんなに綺麗な咲ちゃんが、あんな可愛いこと言うんだよ!」
と叫ぶ悠くんに、春子と里田くんも合流して言った!
「悶え喜んどけ!」
「それじゃ変態だよ!」
私のツッコミはスルーな感じだった。



