「まさか、咲ちゃんがこんなに強いとは思わなかった」
男子組に言われた私は、ちょっと誇らしげに笑う。
「お兄ちゃんに鍛えられたのよね。あの筋肉兄はこういうゲームが大好きなのよ」
私の言葉に反応して、悠くんは言った。
「それは今度お兄さんとも対戦しないと!」
「私でも勝てないからコテンパンね」
とクスクスと笑えば、悠くんは悔しそうだった。
「もうひと勝負!」
「受けて立とうか」
「このカップルはアホの子なの?」
「まぁ、仲良しさんなんじゃない?」
等と会話しながら夕飯までの時間を四人で楽しく過ごした。
夕飯になる頃には、外の吹雪も収まってきていた。
夕飯はお鍋を用意してくれていた。
そのお鍋もトマト味の洋風鍋でオシャレだった。
紫乃さんのセンスの良さに、思わず写メを取ってしまう程だった。
「ここは、やはりお店だったのでは!?」
「咲、これ!すっごく美味しい!!」
そんな、わちゃわちゃの私たちに紫乃さんは微笑んで準備が出来ると下がっていく。
トマト鍋にはお野菜にキノコ、それに魚介類も入って濃厚なお汁になっててとっても美味しかった。
中身が無くなる頃に、紫乃さんが再びやって来てシメを作ってくれた。
それは、トマトリゾット。
濃厚なお汁を吸ったリゾットは、もうほっぺた落ちるって言うのを超えたところにあった。
溶けたチーズも合わさり絶品だった。



