どうやら、この別荘を見ての感想は私と春子は一致したようだ。
「うん、同じこと思った」
そんな私たちに、悠くんが言った。
「この別荘は、母さんの趣味で建てたんだ。女の子がいなくて遊べなかったから、リアルに住むタイプで建てたんだと」
苦笑気味に言った悠くん。
「そっか、ここはお母さんの趣味なんだね」
そうして私達は別荘の中に入る。
そこは前回お邪魔した洋館とはまだ違って、温かみのあるカントリー風の家具で統一された落ち着いたお家だった。
「坊っちゃま、お久しぶりにございます。いらっしゃいませ」
そう、頭を下げて出迎えてくれたのがここの管理を任されている紫乃さんだ。
「では、こちらお部屋にご案内します」
先立って、紫乃さんが歩き出したのでその後について行く。
階段を登ってすぐ、右手が男子ふたり。
左手が私と春子の部屋だと案内された。
開いたドアの先には、可愛らしいパッチワークのキルトカバーのソファーに同じくカバーを掛けられたベッド。
可愛らしくも落ち着いた空間が広がっていた。
さっそっく持ってきた荷物を整理すると、ドアがノックされて悠くんの声がした。
「咲ちゃん、山路さん。大丈夫そうならリビングでお昼にしよう」
時計を見れば、気づけばお昼を少々過ぎていた。
「分かった、今行くね!」
返事をして、みんなでリビングに降りると紫乃さんがご飯を用意してくれていた。



