「えぇ、高嶺の花?それは無いですよ」
なんて、私たちが会話しているといつの間にか里田くんと悠くんもこちらに来ている。
「高嶺の花だったの!咲ちゃんはすっごい美人だからね。男子はどれだけ良いなと思ってても、尻込みしてたわけ。俺もだけどね……」
少しバツが悪そうに言った悠くんに、私は驚いてしまう。
「そうそう。俺達の学年でダントツの人気だったのが山野で、でも綺麗過ぎて声が掛けれないのが大半だったな」
などと、里田くんまで同意している。
「言っとくけど、咲って男子にもファンクラブがあったけど女子にも人気があって。素敵なお姉様ってやつで下級生から絶大な人気誇ってるからね?」
うーん、そんな感じは私は微塵も気付かぬままに過ごして来てるから分からない。
下級生女子に、確かに声をかけられたり困ってる場面に遭遇すれば手助けしたりしてたけれども。
「だって、困ってる子見かけたら放っておけないから手伝うじゃない?それだけのことよ?」
そんな私を見て、智子さんは言った。
「無自覚天然、人たらしキラーってとこ?」
なんかすごい言葉の羅列になった気がするが、そんな智子さんの言葉に私以外が全員うなずいて同意しちゃうので、全会一致の意見みたいになってしまった。
美人だけは違うと思うんだけどなとは思っているけれど、この数では勝てないので私は口を噤んだのだった。



