「なんだ、賄賂付きとは穏やかじゃないな」

そこは、生まれてからずっとの付き合いの兄。
私の行動パターンなどお見通しである。
だが、話はここからだし。
話せば協力はしてくれるはず……。
妹バカだし……。

「おい、今おまえちょっと失礼なこと考えてなかったか?」

変に鋭いのも困りもんだ。

「いやいや、そんなことは。ところでお兄さま。明日はなにか予定ありまして?」

「おまえ、ちょっと怖いわ!普通に話せよ」

こうして、兄は賄賂を食べつつ私の話を聞いてくれることになった。

「いや、なぜかクラスで人気のイケメン男子二人に言い寄られてて困ってる!そこでだ、兄の出番なのだよ!」

この会話で兄以外にも叫び声が出たのは、仕方ないかもしれない……。
おう、ここに父がいるのを忘れてたよ……。

ここにいる父は、兄以上に厄介な人物なのだ。
主に、娘ラブな面において……。

「よし、悟!おまえ明日は咲を迎えに行ってやれ。そしていつもの様に仲良く帰ってくればいい」

父、あっさり兄を派遣決定!

「あぁ、咲も頼みたかったのはそういうことか!」

父と兄はしっかり私の頼みたかったことを理解してくれたらしい。

私達は歳も離れてれば、兄妹としてはあまり似ていないのだ。
傍から見ると仲良し兄妹は最近カップルに間違われることもあるのでそれを利用するのだ。