「話はこれで終わりだろ?先に教室に戻って。俺はもう少し書類片付けてから戻るから」
続いた言葉に私は返事をした。
「分かった。先に戻るね。里田くんの気持ちは嬉しかった。ありがとう」
そうして、私はこの日一番の重要な要件を朝のうちに相手に伝えることができた。
教室に戻ると悠くんが来ていた。
私の顔を見て、分かったのだろう。
「咲ちゃん、おはよう。今日はお昼一緒に食べようか?」
それに私は答えた。
「うん。食べる」
この返事に驚いたのはクラスメイトたち。
私がふたりのお昼の誘いを断り続けて、いつも春子と過ごしているのを知ってるからだ。
周りは一気に騒がしくなる。
とうとう、この三角関係に決着が!
うそ、谷村くんと!?
じゃあ、あの里田くんが振られたの!?
などなどと、教室は一気に大騒動に……。
みんな、そんなに気にしてたの?
驚く私に、悠くんは言った。
「静かなとこでご飯にしようね……」
「うん、それがいいと思う……」
ふたりで顔を見合わせて苦笑するのだった。
そこに来た里田くんは騒ぎで何となく、騒動元を察したらしい。
「おい、そろそろ朝のチャイムが鳴るだろう。席に着いたらどうだ?」
クールな里田くん全開の冷たく感じる声に、クラスメイトたちの声はピタッとやんだのだった。



