そうして楽しく過ごした翌日。
学校に使うカバンにお揃いのストラップを飾りで付けた。
悠くんも付けると言ったから。
なので、今日のうちに私は里田くんに話をしないといけないと気合を入れて学校に来た。
「咲、ちょっと朝から顔が怖い!」
朝一で会った春子にそう言われてしまった。
「えぇ、そう?ちょっと変に気合が入っちゃって……」
苦笑いで返すと、春子は仕方ないって顔をして言った。
「色々、やる事あるんでしょ?里田だったらきっと今はひとりで生徒会室よ。話すチャンスじゃないかな?」
まったく、どこまでも私の親友は顔を見ただけで分かるんだから。
私は春子にも適わないなと思う。
「ありがとう。ちょっと行ってくるね」
そうして私は教室にカバンを置くと、生徒会室へと向かった。
生徒会室について、ドアをノックする。
中から返事があったので、ドアを開けた。
「珍しいね、山野がここに来るなんて」
ドアを開けて入ってきた私に、里田くんは初めこそ驚いたものの私が来たことで何かを感じ取ったのか表情を改めた。
それは、クールと言われる落ち着いた里田くんの表情。
でも、ほんの少し寂しそうと感じた。
「今日は、里田くんに話があってきたの……」
私が切り出すと、里田くんは寂しげだけどうなずいて言った。
「うん。聞くよ」



