そう行って、見せられたのはとあるアプリ。
そこに表示された金額は、人生において初めて見る桁でちょっと意識が飛びそうになった……。
いや、八割方で魂が飛んでってた……。
「うわ、咲ちゃん!帰ってきて!!」
ゆさゆさと揺さぶられて、私はハッとして戻ってくる。
悠くんが私が今日気になったりしたものをサラッと買ってしまうのは理屈としては分かった。
でも、そうは問屋が卸さない。
「悠くん。悠くんがしっかり色々やってて安定したものがあるのは分かったけど、それが私にいろいろ与えていいことにはならないと思うの」
私の言葉に、私を見て悠くんは続きを待った。
「だから、この後はきちんと話しながら見て回ろうね。あと悠くんの気になるものも見に行こう。ね?」
私の言葉に、悠くんは少し緊張気味に強ばらせていた表情を和らげた。
「分かった。もう勝手に買うのはやめる。その代わり、どうしてもって物を見つけたり、悩んだりしたらちゃんと言って。そこは一緒に考えて買うか買わないか決めよう」
悠くんの言葉にホッとして、私は笑ってうなずいた。
そうして、きちんと話したあとはその前より楽しくアウトレットを見て回ることができた。
その後は悠くんとスポーツショップを見たり、靴屋さん、帽子屋さん、雑貨屋さんなどを見た。
そして、本当に悩んでふたりで話し合って買ったのは私のお小遣いでも買える範囲のシルバーアクセサリーのお揃いのストラップだった。
それを買った時は、とっても満足したのだった。



