「猟師!」

「誰?」

中々のイケメンだな。何か芸能人っぽい。

「幼なじみよ」

なるほど。

「貴様!赤ずきんから離れろケダモノ!!」

「え?え?いや、待って!何で?」

俺なんもしてないのに。

「赤ずきん、今助けるからな!」

うわー、何で銃向けられてんのかなー?これじゃ俺が悪いみたいじゃんか。

「結構よ!ファンの女の子達にちやほやされて、鼻の下伸ばしてたくせに!私は狼さんに食べられて死ぬの」

だから、食べねーよ。

「……俺には、お前だけだよ。お前が一番好きなんだ!!」

「………え?」

おい。何だよこの空気!ラブコメか?ラブコメなのか??俺のいないところでやってくれよ。

「ほんと?」

「ああ!」

「猟師!」

赤ずきんは猟師(名前知らん)の元へ走っていく。もう二人にとって俺は空気らしい。

その後抱き合ってる姿を二時間ほど見せられたあげく、よく分からない愛の言葉を囁きあってる二人を、大人しく見守っていた俺を誰か褒めてほしい。

ま、取り敢えず解決したみたいだからいっか。これでもう付きまとわれないだろう。


「聞いてよ狼さん!猟師ったら私の話聞いてくれないの!もうムカついたから私を食べなさい!」

「喧嘩の度に俺のとこくんなよ!帰れ!!」

俺は狼。まだ、赤ずきんとのバトルは終わらないらしい。