次の日。

俺は赤ずきんに出会わないよう、いつもは通らない道を通った。…………だが無駄だったらしい。

「見~つけた~」

怖いよ。何この子。

しかも何だよその格好は!コスプレパーティーにでも参加するのか?

「赤ずきん、頭は大丈夫か?」

「私は赤ずきんじゃないわ!美味しいリンゴよ」

リンゴの着ぐるみの様なものを着て、ドヤ顔をしている赤ずきんに、イラっとした。

「どう見ても毒リンゴだろ。あ、毒リンゴにも失礼だな。うん」

「何よ!食べてもいないくせに!」

赤ずきんは「狼さんの練り消し!」と言って去っていった。どういうリアクションをとるのが正解なんだろうか?

更に翌日、今度はしわしわのお婆さんになった赤ずきんが現れた。

マジでどうした!

「ホッホッホッホ。これなら食べる気になったじゃろう。老い先短い老人なら文句はない筈じゃ。因みにわしのお婆さんは魔女での、薬を作ってもらったんじゃよ」

なんだその無駄な薬。てかお前の婆さんお前をどうしたいんだよ!

「てかさ。腐ってる生物食べたい奴っていると思う?」

「……ぐすん。最近の若いもんは老人への配慮が足らん。昔はこんなじゃなかったがのう」

「昔振り返れるほど生きてから言え」

因みに赤ずきんの薬の効果は、12時まで(昼)だったらしく、無事元に戻った。