酔いが回り、呂律が回らないソルは、どうしていいか分からない快感に震えて、幼子の様にキルバルにすがりついた。
「私.......私.......なんか身体がおかしいれす.........怖い......キルバル様ぁ.......!!」
ソルの桃色に熟れた小さくもぷっくりとした唇が、キルバルの目の前で懇願する。
涙で潤んだ瞳はキルバルを一心に惹き付けた。
「あぁ.......どうしてお前はこんなにも私を煽るのだ!!これでは抑えが効かなくなる.......」
すがり付くソルの後頭部に手を差し入れると、はぁっと息をして、ソルの唇が薄く開いた。
「キル.......バル.......さ.......ま」
「.......ソル」
唇まであと少しの所で、ソルの掴んでいた腕がくたりと椅子に落ちた。
驚いて目を見開くと、ぐったりと目を閉じたまま、ソルは動かない。
「ソル?.......ソルっ!!目を開けろっ!!どうしたのだ?!!」
軽く頬を叩いても反応の無い身体に、キルバルは冷水を浴びせ掛けられた様に身の毛がよだった。
「ステーシアっ!!ステーシアっ!!誰でもよい!!早くここへ侍医を呼べっ!!今すぐだっ!!」
「まぁなんて事っ!!リラっ!!今すぐ呼んできてっ!!当直の侍医が待機してるはずだわ!!」
「はいっ!ステーシア様!!」
ぐったりと横たわるソルの身体を優しく抱き上げ、顔を寄せると、小さく息遣いが聞こえた。
ほんの少し安堵の溜め息を着くと、寝台にそっと寝かせる。
「大事無いといいが.......流石に無理をさせ過ぎたな.......すまなかった.......」
キルバルは、汗ばんで頬に張り付いた髪を一筋耳へと流すと、そっと頬を撫でた。