カクテル紅茶館の事件簿録


それをありがとうの一言で済ませてしまうのは私の弱さだ。

代金を請求しないこと。

私のための一杯を淹れてくれること。

何度も何度も通い続けさせてくれること。

本当はどれも気になる。

だけど弱さ故に聞けないでいるのだ。

どうしてかなんて全然分からないけど、それを聞いてしまったら最後ここには来れなくなってしまうんじゃないかなんて思ってしまう。

一度でもそう思ってしまうともうだめだ。

万が一が怖すぎて聞けない。

この空間は失うにはあまりにも大き過ぎる。