カクテル紅茶館の事件簿録


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カランカラン。

涼しげな鈴の音を響かせながらかその扉を開ける。

そこでは今日も穏やかな表情のヌイが待っていてくれる。

そのことにひどく安心して、私は思わず涙腺が緩みそうになってしまう。

それで気づかされた。

私にとってこの場所は大切だ。

だけどそれ以上にヌイのことも必要としているのだろう。

「タマちゃん?」

いつまでも入り口で立ち尽くす私にヌイは葵を抱いて近づいてくる。