カクテル紅茶館の事件簿録


「僕にはそんな風に見えなかった。

確かに僕は少し前にボールを拾ったよ。

だけどそれはきっと君のじゃない。

だって僕の拾ったボールは捨てられたように置き去りにされてたんだ。

仮に君のだとして、君は大切なものをそんな風に扱う人間なのかい?」

辛辣だなと思った。

きっとこの少年は低学年。

奮発して中学年になりたて。

そんな子供には言葉の意味を知りもしなければ考えもしないかもしれない。

なにより、そもそもが……、