カクテル紅茶館の事件簿録


むしろ学校を離れてからの方が騒めきが増したかもしれない。

まだ恥じらいを保っている中高生と違いまだ幼い子供や羞恥を乗り越えたおばさまたちは反応があからさまなのだ。

「ヌイ!どうしてそんなにゆっくり歩くの?ほら!早く!

キビキビ歩こうよ」

「別にいいじゃない。何か用事があるわけでもあるまいし。

葵だってゆったり散歩したいよな?」

ヌイは『葵ちゃん』に話しかける。

だが当の本人は気持ちよさそうに夢の中だ。

そしてヌイは歩調を変えるそぶりゼロ。

全く自由だ。

ヌイも葵もおばさまも誰も彼も。

我慢を強いられるのは結局いつもまとも側の人間なんだ。