カクテル紅茶館の事件簿録


だけどこれだけは言っておこう!

私はこれっぽっちもヌイに恋愛感情は抱いていない!

そんな浅はかな理由で毎日通ってた訳ではない!

「返して」

少年は溢れたように言葉を発した。

そんな少年の言葉に一番驚いていたのは少年自身だった。

つまりは、その言葉はほとんど無意識に出てきたのだろう。

一昨昨日、私もそれに似た経験をした。

「あ、だから、その、」

少年はしどろもどろしながら、探し物をするかのように視線を店内へと巡らせている。