その日はだいぶ帰りが遅くなってしまった。 家に帰っても勉強をしなくていい。 明日からはテスト返却でしばらく大した授業はない。 おまけに、ティータイムが終わるとヌイはバイオリンを奏で始めたのだ。 別に『聴いて』と言われたわけじゃない。 帰るも残るも私の自由だった。 そうしたら答えは一つ。 私はただ無心でヌイの音色を聴き入った。 ヌイも集中していたのだろう。 気がつくと辺りはすっかり暗くなっていて、時刻も八時を過ぎていた。