都会感丸出しの巨大タワーを背に二十分歩く。 たった二十分。 されど二十分。 その二十分の間に街並みはガラリと姿を変える。 都会感溢れる煌めきが息を潜める。 どこか慌ただし気な雰囲気が落ち着いたものへと変わる。 周囲は人が生活している独特な香りで包まれている。 だけどやっぱりここも都会で、大きな荷物を引いて歩く外国人グループ三組とすれ違った。 そんな日常と非日常のちょうど境目に、意図したかのように現れる横道。