オーディションを受けた全員が待つブースに、監督さんや音響監督さん、助監督さんが入ってくる。


「皆さん、お疲れ様でした。本日のオーディションの結果を発表します。今回星の瀬キララ役は審査番号八番、真辺紗友里さんに決定です!」

その声に驚き目を見開く。

「おめでとう!これからよろしく頼むよ」

そう、監督に声をかけられ


「ありがとうございます!よろしくお願いします!」

勢い良く、頭を下げる。

周りから拍手をもらう。
今回私は初めてメイン級キャラクターを演じることが決まった。

この喜びをどうしよう、そう思いつつ私は色々な説明を受けたあと迎えに来たマネージャーと一緒に帰路についた。

ひとまず決まった事を社長にも報告するため、事務所に寄る事になったからだ。


「紗友里、やっとね!おめでとう。これからスケジュールはしっかり調整するから頑張りなさい」

「はい!ありがとう、マネージャー」

にっこり笑って答えた。

事務所でも社長に報告したら、とても喜んでくれて私は久しぶりにウキウキと弾む足取りで家へと帰宅したのだった。