超カリスマ美容師のチャラ男は幼なじみデス


「お揃いで?ペアリング付けるってこと?」

「うん。嫌か?俺、独占欲強いから付けて欲しいんだけど。ダメか?」

ダメかと聞かれて、ダメな訳じゃないが……

「あのさ、私達の関係ってなんなわけ?ペアリングする仲なの?」

私はここに来てゴネる。
スマートじゃないのは分かってる……。
でも、大人だから察しましょ?とか無理。
私はちゃんと言葉を聞きたい。
隼颯の気持ちを、きちんと聞きたいんだ。

私は見上げた先の隼颯をしっかりと見つめる。

「紗友里、今日はデートだよ。何気に初の二人きりでのデートだよ?この意味分かる?」

「何となくね。でもちゃんと私は隼颯から聞きたい」

そう返した私に、隼颯は後ろからギュッとして私の耳元に囁いた。

「ずっと昔から紗友里が好きだよ。俺の彼女になってよ」

やっと聞けた隼颯の気持ち、嬉しくて仕方ない。
動悸が早くて苦しいくらいで、嬉しさで弾けてしまいそう。

「紗友里?返事は?」

「隼颯、大好き」

そう背伸びして囁いて、私は隼颯の腕にギュッとしがみついていた。

お互いに素直になった私達は、幼なじみを卒業してこの日。

彼氏彼女としてのお付き合いが始まった。

そんな記念日になったこの日。
お互いの指に揃いのプラチナリングを付けた。

幼なじみからの脱却記念日!

超カリスマ美容師のチャラ男はチャラさを無くして彼氏になりましたとさ。

たぶん、周りがせっつくので結婚も秒読みかもしれない。
それも、悪くないかなと思っているのはナイショだ。

Fin