過剰な期待されても応えられないです。……今は。



――それから、二週間がたった。


園原くんには、

手紙を渡した日から会えていない。


連絡もない。


(……迷惑だったのかなあ、)


「奏」


教室で頬杖をして窓の外を見ていると、肩をポンと叩かれた。

クラスメイトの横山だ。


「なに見てんの?」

「……べつに」


ただ、意味もなく空を眺めていただけだ。


「最近雨多いな」

「梅雨入りしたからね」

「傘、忘れた」

「なにやってんの」


天気予報で夜まで続くようなこと言ってたよ。


「家出るときは降ってなかったんだよ」

「どうするの?」

「走って帰る」

「ええ……風邪引くよ。いくらバカでも」

「ひとこと多いわ」