過剰な期待されても応えられないです。……今は。



――横山のこと?


「いや、横山はただのクラスメイトだから……!」

「そうでしょうか。彼が八重樫さんに送る視線は、特別に見えましたが」

「え……」

「あいつは僕にないものをたくさん持っているんでしょうね。自由も、金も。女の子に慣れてそうだった。……それにスマホだって」

「あっ……」


もしかして、園原くんスマホ持ってないのかな。

だからメッセージ来なかったんだ。


やり取りしたくないわけじゃ、なかったんだ。


そういえば図書館で携帯出してる素振り一度も見せなかったよね。

もちろん通話はしちゃいけないけど、時間は腕時計で確認していたし、チラリとも取り出さなかった。


「それでも、八重樫さんが好きです。この気持ちは負けない。八重樫さんに釣り合う男になりたい」

「園原くん……」

「大人になるまで待ってなんて言いません。僕が、とても待てません。胸を張ってあなたの隣にいられるような男になって会いに来ますから。……その時は覚悟してて下さい」


そんな風に考えてくれていたの?


ずっと。

ずっと、わたしのこと想ってくれてたの――?


「……ならないでいい」

「え?」

「そのままの、園原くんがいい」