「どうしても伝えておきたいことが、一つあります」
「はい……」
いや。待って。
いきなりフラれたりしないよね?
「僕に過剰な期待されても、応えられないと思います」
それって。
……好きになるなって、こと?
「いくら応えたくても。色んなところで裏切ってしまいそうで」
「……?」
「僕は行ける場所もやれることも、八重樫さんより限られてます」
――え?
「情けないくらい小遣いも貯めてなくて。ほんと、恥ずかしい話。お年玉全額、本の購入に使うようなやつで。すぐにバイト始められたらいいんですけど」
……園原、くん?
「限られてるっていうのは……?」
「その……門限が、少し友人より早いらしくて。遠出もそんなにしたことなくて。それでなくても、僕の場合18時以降にレジャー施設に入れなかったりしますし」
「え?」
「……窮屈ですよね。中学生って」
中 学 生 ?
「中学生って、義務教育の、あの中学生?」
「はい」
「ほ……、ほんとに!?」
「なんか……すみません」
「いや、こっちが、勝手に勘違いしただけなので……ちなみに……何年生、」
「二年です」
二年。
中二、ってことは。
――…十四歳。
(見えないいい!!!)
門限はやいとか遠出したことないってどこの箱入り?
え、秘蔵っ子?
「イメージ壊したくなくて。余計なこと話さないようにしてたら、そっけなくなってしまうし。話せばボロが出ます。こんな風に。きっと今の僕は……八重樫さんの理想とはかけ離れてて。でも、これが俺なんです」


