「その制服がこの高校のものだと知っていたので、来れば会えるかなと」
わざわざ、届けに来てくれたんだ。
避けられていたわけじゃ、なかった……?
「……歩きましょうか」
「は、はい!」
歩きづらい雨道も、あなたとならずっと続いていられればいいのにと感じてしまう。
でも、手紙には、なんて書いてあるんだろう。
「園原くんの家、あの図書館のあたりなんですか」
「はい。図書館の南側です」
うちは北側だ。
南方面ってあんまり行かないなあ。
中学の頃に仲の良かった塾の友達の家がそのあたりにあって、何度か遊びに行ったくらいで。
「図書館には、また来ますか?」
「まだ、なんとも」
「……忙しいんですね」
いつもどんなことして過ごしてるんだろう。
なにが好きなのかな。
園原くんのことが知りたくてたまらない。


