ふっと笑うと、横山は言った。
「まあ気楽に待ってみろよ。期待しすぎるのもどうかと思うけど、その子は必ず幸せになれる」
「え……ほんとに?」
「ああ。うまくいこうが失恋しようが落ち込む必要は1ミリもない」
「なんで?」
失恋したら落ち込むに決まってるじゃん。
それを、回避する方法なんてあるの?
「脈ナシだったら俺が慰める」
「は?……あんたが?」
「うざいって言われるまで俺からメッセ送ってやる。悲しむ暇がないくらい俺のこと考えさせてやるからって――そう友達に伝えとけ」
「……え?」
「横山、先輩きてる」
「あー、わかった」
廊下から上級生が覗いている。部活の先輩かな。
「まあ頑張って」


