過剰な期待されても応えられないです。……今は。



言ったあとで、自分が驚くほど弱々しい声を出してしまったことに気づく。


「って、友達が……! 落ち込んでたの!」


ここで泣くわけにはいかない。

なんとか笑顔を作ってみせた。

どうか、わたしの話だってバレませんように――。


「落ち込むことねえよ」

「……え?」

「俺はさ、自分からメッセ送らないんだ。来たら返すくらいで。そういうタイプのやつだと、まあマメじゃなくて普通だな」

「そ……そうなの?」

「なんて送ろうかなって考えてるうちに寝ちまっただけかもよ」

「でも……二週間も会えてないんだよ。避けられてるのかも」

「この学校のやつ?」

「ちがう……。図書館で会った、他校の人」

「同じ年?」

「どうだろう……大人っぽいから、先輩かも」

「二週間も会えてないってことは、これまではもっと会えてたのか」

「週に2回は、図書館に来てた。そんな彼に会いたくて、毎日通った。見てるだけだった。でも、それが嫌で声をかけて、手紙書いて、やっと名前知れたのに。これじゃ距離が縮まるどころか……って……」


横山の視線を感じ、ハッとする。


「友達が、言ってたの!!」