独身貴族の女社長。
セレブっぽい?
世間的には、そう見えるかも。
でもね、大変なのよ?
好きにやってる時は、楽しかった。
大学時代に、バイトしては海外行って。
華やかな色使いで、心踊る洋服に惹かれて、
日本で売ろうと、決めてから。
女としての生活は…
自慢できるようなもんじゃなかったし。
無我夢中で、やってきて。
やっと、軌道には乗ったけど。
あたしの肩には…社員の生活。
…重いと感じる時がある。
疲れてしまって、何もかも手放したい時も。
そんな時、出会ったせいか…。
洋平との出会いは、
頑張ったご褒美かなと…
思わずにはいられなかった。
自分だけの足で立っているのがキツくて。
寄りかかれる背中が…嬉しかった。
頑張りすぎだよ。と、優しく叱られるのも
幸せだったのに。
あたしの気持ちだけ、置き去りにして
突然、別れたいと…
言われた…。
嫌いになったわけじゃない?
俺じゃ、あたしに釣り合わない?
一緒にいるのが、辛い?
そんなこと言って、あたしを捨てておいて…。
あいつは…2年後の今。
あたしの会社に転職してきた。
履歴書を見た時、破り捨てようと思って
…できなかった。
元気?って、少し遠慮しながら笑う。
憎くて、憎くて…大好きなあいつ。
ちょっとだけ、どこかで期待してた。
…あたしの所へ戻ってきたの?

