高桐先生はビターが嫌い。


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インターネットで合コンのメンバーを集めるのは、そんなに苦労はしなかった。

もしかしたら同性の友達作りのチャンスかもしれないし、そっちの楽しみもあったから。


まず、女子だけで待ち合わせをしたのは、合コン場所であるカラオケ店の前の公園。

あたしは未成年だし、もちろん女子達にも名前や年齢を偽っている。一応。一応ね。

待ち合わせ場所に行けば、そこには思ったよりも派手めな女の子が二人…居た。



「あの…もしかして、“のんのん”さんと、“しょうこ”さん…ですか?」



思い切ってそう声をかければ、やっぱり2人はその人らしかった。

あれ…。なんか…あたし浮いてない?

2人を見て内心そう思ったけど、でも、来てしまったからには今更…だし。

しかも、しょうこさんはタバコを吸う人みたいで、正直ネットで思っていた印象とはだいぶ違う。

…こんなの軽い詐欺だ。(いや、人の事は言えないんだけど)

けど、それでもなんとか2人の話に必死について行きながら、あたしはぎこちないながらも店の中に入った。


男の人達は先に来ているようで、事前にラインで部屋番だけ知らされていたから、3人で店の奥に進む。

相手はあたし達3人のことを友達同士だと思っているだろうから、違和感なくやんないと。

そう思いながら、部屋に入る前に、軽く自己紹介だけしておいた。

もちろん、あたしは“アイリ”と偽名を使って。


…………



「お待たせー」



そして、早速中に入ると、そこには男の人達もちゃんと3人揃っていた。

きっと、あの昼間のラインのあと急いで集めてくれたんだろう。

彼らは噂によると、大学を卒業したばかりの人達らしくて、だからまぁ一人がいきなりドタキャンした理由はわからなくもない。

3人ともわりとイケメンな人達で、のんのんさんとしょうこさんには、こっそり小声で感謝をされた。



「じゃあ、まずは自己紹介しよっか!」