高桐先生はビターが嫌い。

…………


ガラ、と教室のドアを開けて、真っ先に市川を探す。

…市川は、窓際で仲間達と雑談している最中で。

あたしはその姿を発見すると、勇気を出して、そこに近づいた。



「…っ」



他のクラスメイト達の視線が、たくさん突き刺さる。

…けど今は、そんなことは気にしちゃいられない。

あたしが目の前まで来ると、市川はふと顔を上げて。



「…うざ。何か来たんだけど」



と、仲間たちと共に笑い出す。

…けど、何故か、他の仲間たちの表情が少し引きつっているように見えるのは…気のせいだろうか。

そう思いながら、あたしは市川に言った。



「…せ、制服」

「…あ?」

「制服!あたしの制服!…どこ、やったのっ!?」

「………どこって。いや、あたしはどこにも、」



…しかし。あたしがそう聞いても、市川の表情は何故か…きょとん、とした顔。

……あれ?市川じゃ、ない…?

市川のその反応にあたしがそう思っていたら、その時何かに気付いたらしい市川が、仲間たちに目を遣って、言った。



「!…ま、まさかアイ、あんたっ…」

「え…え!?あたし…知らない、よ!?」

「さっき、あのあと…!」

「し、知らないってば!」


「…?」



市川はそう言うと、怒った様子で、仲間を睨み付ける。

……でも、一方のあたしはその様子に、いまいちよくわからなくて。

頭に?を浮かべていたら、市川が言った。