高桐先生はビターが嫌い。


そう言うと、家庭科室から裁縫用のハサミを借りてきて、仲間たちと一緒に日向の制服に近づく。

前は体操着をハサミで切ってやったけど、今回は制服で。

仲間達は最初は半分ふざけていたけど、あたしがいざ日向の制服に手をかけると、さすがにビビった様子で言った。



「ね、ねぇ」

「ん?」

「市川、マジでやるつもりなの?」

「…え、何。あんた今更ビビってるわけ?」

「いや、そんなんじゃ…ないけど」



…制服は、さすがに…。

仲間はそう言うけど、あたしはその手を引っ込めたりしない。

これはアイツに対するあたしの復讐だから。

完全にビビっている仲間の隣で、あたしは次の瞬間本当に日向のカッターシャツに大胆にハサミを入れた。



「!!…っ、ね、ねぇ、市川、さすがにこれは先生にチクられるって!」

「…大丈夫。アイツはどうせ今回もあたしらの事は言わないから」

「でも、これはマジで…!」



そう言うと、あたしの行動を見ていたアイが、自身の手であたしの手を止める。

…邪魔。

そしてあたしはその手を払いのけると、言った。



「…心配なら参加しなくていい」

「!」

「こんなのあたし一人で十分」



それに、先生にチクるなら好きなだけチクればいいわ。

今までそうさせるために、大胆に、やってきたんだから…。

あたしはそう思いながら、未だ心配そうに見つめる仲間たちの隣で、日向の制服を切り裂いていった…。