いやぁ、当てちゃってごめんね。
そう言うと、後藤先生は。
特に悪びれた様子もなくニコニコと笑顔を浮かべる。
…けど、まだチャンスはありそう。いや、ある。
「でも、わからないじゃないですか」
「?」
「彼氏がいないって、本当はあれも嘘だったのかもしれませんよ?実は、彼氏に殴られた傷…だったりして」
そう言うと、あたしは後藤先生を見る。
その言葉にまんまと騙されてくれればいい。
けど後藤先生は何故か、そうはいかない。
「…いや、それはないな」
「…え!」
「っつか、そう言ってる時点で完全にソレは無いでしょ。本当に彼氏に殴られた傷なら、もっと隠し通してそうだしね。奈央ちゃんなら」
「!…っ」
「それに、そんな傷をつくるような彼氏なら…そもそも合コンになんて行けない」
「…、」
その言葉に、あたしはもうこれ以上何も言えなくなって、うつ向く。
するとその間に、また言葉を続ける後藤先生。
「…で、どうする?バレーとバスケ、どっちやりたい?」
「…っ」
「今更保健室なんかには行かせないよ?せっかくなんだから皆と楽しも?」
「…、」
「大丈夫。俺ちゃんと見てるし」

