そう思いながら、職員室の前で息を吐いて、教室に戻るためその場を離れる。
…だから、嫌だったんだ。
高桐先生とは、合コンで出会っただけの仲…が良かったのに。
それなのに、隣に引っ越してきて、あたしの学校の教師にもなるなんて。それってお互いにビックリだし。
出来れば、これ以上は近づかないでいてほしい。
『俺、ちゃんと力になるから』
……本当に信じていいのか、こわいから。
ヘタに近づいたら、また、傷ついてしまいそうで。
だから………今は、何もない。フリをしていたい。
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そして、それから数日後。
今日もまた変わらずにいろんな嫌がらせを受けていた、ある日。
午後の授業の体育には、後藤先生が来た。
「よしっ、はじめるぞー」
「!」
後藤先生は、女子が集まっている体育館に入ると、みんなにそう声をかける。
実は、あたしのクラスの体育は、女子は女の先生が担当していて。
後藤先生の担当教科は、地理や日本史。
だけど代わりに来た後藤先生曰く、今日はその女の先生が出張でいないらしく、この時間は自由時間になった。
「やったー!」
「え、センセー何しててもいいの!?」
「おー。けど、遊ぶのはナシな。ちゃんと体育らしいことしろよー」
…そんな後藤先生の言葉に、皆は友達同士で固まって、バスケットボールやバレーボール等を自由に出していく。
やっぱり…そうだよね。そうなっちゃうよね。
二つともそれなりの人数がいなきゃ出来ないスポーツだけど…この状況になるとあたしは呼ばれることはないから。
…しかも今日きてるのは後藤先生だし。
そう思いながらも、あたしは体育館の隅でその様子を静かに眺める。
仲間に…なんて、いつも入れてもらえないんだよね。だから、言うだけ無駄っていうか。
そう思いながら、そーっと、体育館を出ようとしたら。

