高桐先生はビターが嫌い。


「…、」



目を開けると、いつのまにか涙がこぼれていて。

思わず、少しだけビックリしてしまう。

こんなことを考えてしまうのは、今日デートが出来なくなってしまったからか。

それとも…学校での、せいなのか…。

わからないまままた目を伏せると、あたしはそのままゆっくり眠りについた。


…………


ようやく目を覚ましたのは、玄関でインターホンが鳴ったからだった。

少し大きめの音に目を開けると、リビングは、夕焼けのオレンジに染まっていて。


…きれー…。


その景色を見ながら、眠気眼で欠伸をすると。

二度目のインターホンの音を耳にしながら、あたしはゆっくり玄関へと向かって行く。

寝る前に流れていた涙はもう渇いていて、玄関の鏡で自分の姿を確認すると、ようやくドアを開けた。



「…はい」



けど…



「…ども」

「あ…せ、先生…」



開けたはいいもの。

ドアの前に立っていたのは…高桐先生、だった。