高桐先生はビターが嫌い。


「…~っ、」



女子生徒達が、高桐先生を見て「イケメン!」と騒ぐ。

その声に、照れ笑いの高桐先生。

「静かに!」と皆に注意をする担任。



「…高桐先生は新米教師でまだ若いから、みんな困らせることなく言うことを素直に聞いてあげるように」



担任がそう言うと、素直に良い返事をする女子達。

「で、今の時間にすることは…」と話し始める担任だったけど。



「…佐藤先生」

「はい?」



その時。

ふいに、教室のドアをノックする音がして。

そうかと思えば、隣のクラスの担任の先生が、顔を覗かせて言った。



「…HR中にすみません。ちょっとよろしいですか?」

「え?あー…」



その言葉に、ちょっと困った様子で高桐先生に目を遣る担任の佐藤先生。

それでも少しの間どうしても抜けなければいけないらしく、「戻るまでテキトーに繋いどいて」と、やがて教室を後にしてしまった。



「じゃ、よろしく」

「は、はいっ」



……テキトーにって。

きっと、新米の先生にとってはキツイ無茶振り。

しかもいつ戻るかわからないのに。

それでも高桐先生はしばらく考えると、やがてクラスの名簿に目を遣って、言った。



「…じゃ、じゃあ、せっかくだから、自己紹介とか…してもらおうかな」

「…!?」



えっ!?