高桐先生はビターが嫌い。

…………


「明日、何時に出発なの?」



それから、ご飯を食べ終わる頃。

ふいに、高桐先生があたしにそう問いかけてきた。

あたしはお父さんから言われた言葉を思い出しながら、その問いに答える。



「えっと…朝の5時です」

「ごっ…早いね!」

「飛行機の時間が、6時半?くらいにあるんで」



そう言うと、「ごちそうさまでした」と袋の中に空になったプラスチックのお皿を入れる。

まぁ確かに、あたしも時間を言われた時はビックリした。

だけどお父さんは仕事で行くし、そこはずらせないらしい。

あたしがそう言うと、「見送りに行くね」と高桐先生が笑顔を浮かべる。

…本当は…寂しい…?

あたしはやっぱり、高桐先生のその表情を見ると、先生が…そう思ってる、気がして。



「……先生」

「…?」



でもそれは、あたしも同じだから…。

気が付けば、口にしていた。



「だったら今日は…一緒にいませんか?」

「!!」

「だって、今日が最後…だから」



あたしがそう言うと、先生は一瞬目を丸くして…少し迷ったあと、頷いた。



「…そうだね」

「!」

「最後くらい、一緒にいたいね」



そう言って、また、微笑んでくれるから。

あたしもその笑顔に、微笑み返した…。