「え…」
「あ、奈央呼ばれてるじゃん」
放送でそうやってあたしを呼んだのは、高桐先生の声。
…え、あたし何か…いや何もしてない、と思うけどな。
そう思いながら、仕方なく椅子から立ち上がると…あたしは一旦職員室に行くことにした。
「たぶんすぐ戻って来るよ」
「ん、行ってらっしゃい」
そう言って、教室を後にして。
賑やかな廊下を抜けて、やがて辿り着いたその先。
ノックをして、そのドアを開けると…真っ先に、職員室にいた佐藤先生と目が合った。
「日向、こっち」
「!」
…あれ?呼んだの高桐先生じゃなかったっけ?
そう思いながら、あたしが佐藤先生の方に行くと…
佐藤先生はあたしを、職員室の奥に案内して。
同じ室内の、仕切りの向こう。
そこには、難しい…というか、険しい、というか…何とも言えない表情をした高桐先生が、ソファーに座っていた。
…先生…?
あたしがそんな先生の様子に少し不安を覚えて首を傾げていると、佐藤先生が「そこ座って」と高桐先生の向かい側のソファーを指差す。
その言葉に頷いて、そこに座ると…
「…ごめんね、日向さん。急に呼び出して…」
「あ、いえ」
佐藤先生も向かい側のソファーに腰を下ろしたところで、高桐先生が話し出した。
「…実は、この前も話してた…日向さんのお父さんのことなんだけどね」
「!」
「昨日、直接会いに行って、三者面談の話を…させてもらいに行ってきた」
「…え、」

