佐藤先生はいきなりそう言うと、「あ、別に今日とか明日じゃなくていいから」と。

教師としての勉強のために、と。

さっき仕上がったらしい保護者あてのそのプリントを、俺に手渡す。

そのプリントを、俺は緊張しながら受け取って…

…生徒の親、っていうだけでも緊張するのに…。

日向さんの、お父さんに…なんて。

…でも。



「っ…い、行きます！いや、行かせてください！」

「！」



それでも、俺は知ってるから。

ちゃんと聞いて受け止めたから。

日向さんの強い孤独。

日向さんのことを考えると、俺が行かないわけにいかない。

俺が「行きます」とハッキリ言うと、佐藤先生は「頼もしいな」と笑った。



「でも、失礼のないようにな。まぁそもそも、簡単に会わせてもらえるかどうかすら怪しいけど」

「え、」

「どうしても無理だったらそのまま帰ってきていいから。そうなったら通常通りポストに出しとく」

「…、」



佐藤先生はそう言うと、その後は実際に俺が行く日程を話しだした。


…これ、きっと…いや絶対、大役だよな。

まともに話してくれるかどうかわからないけど、なるべく日向さんとお父さんが一緒に居てもらえるようにちゃんと話さないと…。