高桐先生はビターが嫌い。


「…!!」



その画像を見た瞬間、思わず目を見開いてそれを凝視する。

サーっと血の気が引いて、だけど勘違いなんじゃないかと自分の目を疑う。

でも……これ、どこをどう見ても。



「…日向さん?」

「!」

「乗らないの?」



その高桐先生の声に、顔を上げると。

目の前には、いつのまにか一階に到着していたエレベーターの中に乗り込んでいる、高桐先生の姿。

あたしは、スマホをまた鞄にしまいながら、そこに乗り込むけど…



「…どうかした?何か日向さん顔色が、」

「…、」



……見られていた。

見られていたんだ。

あたしと高桐先生の、あんな姿…を。誰かに。

…誰に…?

そう思ったら、いてもたってもいられなくなって。

エレベーターのドアが閉まる、その直前。



「っ、先生やっぱ先に行ってて下さい!」

「え、日向さん!?」



あたしは、半ば無理矢理にエレベーターのドアをすり抜けて。

走って、再びマンションを出た。

…ついさっきの画像だから、その送り主はまだ近くにいるかもしれない。

そう思って、またさっきの画像を確認して、カメラの位置を探す。

暗闇でそこに駆け寄るけど、さっきの画像を撮影した位置と思われるその場所には、もう既に誰もいない。

それでも辺りをキョロキョロと見渡すけど…人影すら、無くて。



「……遅かったか」



と、呟いた直後。

あたしの鼻に、微かに甘いが掠めた。

……あれ、この香り……。

そう思っていると…



「日向さん!」