「…ごめんなさい」
「ううん。確かに…俺も唯香のこと黙っててごめん。まだ付き合ってないとはいえ、不安にさせたよね」
「…、」
「でも、何があっても、俺は日向さんの味方だし、ずっと好きだから。ごめんね。日向さんが不安なら、俺もう唯香と会ったりしないよ」
「!」
そう言うと、高桐先生は。
泣いているあたしの頭を優しく撫でてくれる。
安心する大きな手。
だけど高桐先生が「泣き虫だね」なんて笑うから、あたしが口を膨らませると先生は無邪気に笑った。
……………
「…あ、そろそろ帰らなきゃ」
「!」
そしてそれから少し時間が経ったあと。
だいぶ涙が落ち着いてきたあたしの隣で、ふいに腕時計に目を遣った高桐先生が、口を開いてそう言った。
…今の時刻、22時半過ぎ。
時計を見ると、もうこんな時間、なんてビックリするけど…何故か好きな人と一緒にいると、そうやって驚くことが多い気がする。
とりあえず、あたしのお父さんのことは後日また話をするとして。
あたしは帰る高桐先生を、見送りに玄関まで行くと、「あ、そうだ」と思い出して言った。
「高桐先生、これ」
「え、何これ」
「誕生日プレゼントです。ちょっと早いですけど。高桐先生、明後日誕生日なんですよね?」
「!」
あたしはそう言うと、この前ショッピングモールで買ったスニーカーが入った紙袋を、高桐先生に渡す。
すると、思いもよらない突然のプレゼントに、高桐先生はビックリしたように目を見開いて、言った。
「え、何で俺の誕生日知って…あ、もしかして篠樹から聞いたの!?」
「ハイ。…すみません、土曜日に後藤先生と出掛けてたのは、一緒に高桐先生の誕生日プレゼントを選んでもらってたんです」
あたしはそう言うと、「誤解させてすみません」と再度高桐先生に謝る。
だけど…

