高桐先生はビターが嫌い。

…………


夜。

テレビを見ながら、独りソファーに寄り掛かる。

本当だったら今頃は、高桐先生と夕飯を一緒に食べて、きっともう玄関で別れているころ。

でも今日もそれを断ったしで、不意にスマホの画面に目を遣って、昼間に言われたお父さんのことを思い出していると…



「!」



その時、玄関でチャイムが鳴って、あたしはテレビを消したあと、返事をしながら玄関に向かった。



「はーい?」



誰かな。

後藤先生?いや、もしくは…

そう思って、ドアの鍵を開けて、重たいそれを開くと…



「あ…こんばんは」

「!」

「いま、平気?日向さん」

「…高桐先生…」



そのチャイムの主は、高桐先生…だった。

なんとなく…予想は出来ていたけれど、実際に高桐先生をこうやって前にすると、唯香さんとのことも思い出してしまう。

…でも、それなのに…結局好きだからか…すぐに帰したくはなくて。



「…上がって下さい」



あたしはそう言うと、高桐先生に部屋に上ってもらった。