高桐先生はビターが嫌い。


…………


「陽太ー。俺コンビニ行ってくるわー」

「おー」



それから、あたしの話を聴いてくれるらしい後藤先生は、一旦高桐…先生がいる部屋にそう声をかけて、また外に戻ってきた。

後藤先生はまだ何も知らないから「じゃあ行くか」とあたしを連れて通路を歩くけれど、あたしはさっきから何だか落ち着かない。

この話をしたら…新米教師の後藤先生は何て言うだろうか。

ドキドキしながら二人でエレベーターに乗り込むと、また二人きりになって後藤先生が言った。



「で?どしたの」

「…あ」

「いきなり“助けて下さい”なんて。まぁそりゃあ4月からこの俺も念願の教師になるわけだし?もちろん俺に出来ることなら助けるけども」



後藤先生はそう言うと、「さあ言え」とばかりにあたしが話し出すのを待つ。

そんな後藤先生に、あたしは物凄く躊躇しながらも…やがて話し出した。



「…えっと、この前あたし、初めて高桐…先生と出会った時」

「うん、」

「合コンで、ずっと嘘吐いてたんです」

「…嘘?ってどんな、」



後藤先生のその問いかけに、あたしは言いづらいながらも、コンビニまでの道のりで全てを話した。