そう言うと、ニコニコと、いつも通りの笑顔を浮かべる後藤先生。
いきなりのその誘いにあたしが少し戸惑っていると、そんなあたしを見て「あ、もしかして予定入ってる?」と問いかけてくる。
…予定とかは、特に入ってないけど。
「…別にいいですけど、何するんですか?」
「んー……まぁ、」
「…?」
だけど、あたしがそう聞くと、後藤先生は不意に外を気にして…
その時何かに気がついたらしく、再びあたしの方を振り向くと、少し慌てたように言った。
「…あっ」
「?」
「それはまた今度!とりあえず、明日は昼頃に迎えにくるから!」
「え、あっ…」
「じゃねっ」
それだけを言うと。
すぐに、玄関のドアを閉めていなくなってしまう後藤先生。
………急に予定ができちゃった。
まぁ、むしろ暇だったしいいんだけどね。
でも、明日…何があるんだろう。あとでラインとかで聞いてみようかな。
そう思いながら、キッチンに戻ろうとすると…
「…!」
その時にまた、チャイムが鳴るから。
あたしは、また後藤先生かな、と思ってすぐに出てみる。
「…はい?」
「ただいま」
「!」
けど、次に現れたのは。
今度こそ、高桐先生だった。
「あ、高桐先生…おかえりなさい」
「………何かさ、さっき篠樹きてなかった?」
「!」
高桐先生を今度こそ出迎えて、いつものように部屋に上がってもらうと。
靴を脱ぎながら、なんとなくそう聞いてくる高桐先生。
あたしはその問いに、頷こうとしたけど…
でも……さっき、後藤先生は外の方を気にしてたから、きっと高桐先生が帰ってきたことに気がついたんだろうな…多分だけど。
もしかして…言っちゃいけないのかな。