高桐先生はビターが嫌い。


後藤くんはそう言うと、「よろしくな、JK」と冗談ぽく笑う。

だけど一方のあたしは、そんな衝撃的な言葉に、言葉を返せる余裕がなくて、思わず固まった。


…東高校…新米教師…?

…教師…?


っ、ヤバイじゃん!


後藤くん…いや、後藤先生のまさかのその言葉に、わかりやすく顔がひきつってしまうあたし。

どうしよう…どうしたらいいかわからないくらいに動揺しまくっていて、頭が働かない。

これが俗に言う「パニック」ってやつか。

そしたら後藤…先生が、「じゃあね」って部屋に戻ろうとするから、あたしはその瞬間そんな後藤先生を引き留めた。



「っ、待って下さい!」

「…え?」



あたしが思わず後藤先生の腕を掴むと、後藤先生は不思議そうな声を出す。「どうした?」と。

…ヤバイ、マズイ。

これは何とかしないと!

あたしはそう思いながら、何かもう必死になって後藤先生に言った。



「それ…困ります!」

「え、困るって?何が、」

「……助けて下さい」

「??」



あたしがそう呟くと、後藤先生はやがて戸惑いながらも頷いてくれた。