高桐先生はビターが嫌い。


高桐くんと一緒にやって来た男の人は、後藤篠樹(ごとう しのき)くんというらしい。

高桐くんとは中学生からの仲で、春からこの辺で働くことになっているから、二人で引っ越してきた、と話してくれた。

高桐くんが爽やか系のイケメンなら、

後藤くんは少しヤンキーっぽく見える、不良系のイケメンかな。

ちょっと正反対に見える二人だけれど、二人で暮らすくらいだから相当仲が良いらしい。


そして、相変わらず隣の部屋から物音がするなか、二人と出会ってから数時間後。

再び玄関でチャイムが鳴って出てみれば、そこには今度は後藤くんがただ一人だけで立っていた。



「あれ、どうしたんですか?」

「うーん、あのさ、ちょっと聞きたいんだけど、燃えるゴミとかってさ、袋の指定ってあんの?」



後藤くんはあたしにそう問いかけると、少し、困ったような顔をする。

そんな後藤くんに、あたしは言った。



「あー、ありますね。燃えないゴミも指定されてます」

「え、マジで!」

「ハイ。あ、そこのコンビニに行くと売ってますよー」



あたしがそう言うと、後藤くんは、「ありがとう」と笑顔を浮かべる。

しかし、次の瞬間。

あたしとしては、ちょっとビックリするような言葉を口にした。



「凄いねー。えっと、アイリちゃん?だっけ」

「はい。けど…別にゴミのことくらいは普通で、」

「ううん。まだ高校生なのに偉いよー」

「…え」



後藤くんがそう言った瞬間。

あたしは、聞き違いかと思った。

だって……あたしのことを、あの高桐くんでさえ。

20歳だと思っているはず。


え…バレてる?

…なんで…?