「へ、変って…何が」



そしてそんな突然の後藤先生の言葉に、そう言ってわかりやすく動揺する高桐先生。

…ここは平然の顔をしていれば、バレにくいのに。

まぁそういうところが、好きなんだけど。

あたしがそう思いながらも内心は高桐先生と同じ、動揺していると…そのうちに後藤先生が言葉を続ける。



「今までそんなふうに二人で笑い合ったりしてたっけ」

「し、してたよ。普通にしてたよ。…篠樹ヘンな奴だな」

「けど何かこう…上手く言えんけど雰囲気が…こう、」

「ま、まぁまぁそんなの気にしなくていいから!日向さんの買い物続けるよ、」



高桐先生はそう言うと、その場を逃げるようにあたしの手を取って店内の奥へと進む。

その瞬間にあたしは、不意にこの前の遊園地でのことを思い出す。

あの日…

遊園地のお店の中で、高桐先生に抱きしめられた時…。

実はあの後には、続きがあった。


確か、あのあと…



「日向さん」

「!」



遊園地での時の会話を回想していると、その時ふいに高桐先生に名前を呼ばれて、我に返った。

高桐先生の声にあたしが耳を傾けると、そんなあたしに気が付いていない高桐先生が言う。



「…危険だね。なんか…」

「え、」

「篠樹。本当に鋭い奴だから…」



そう言うと、「たぶんまだ怪しんでんな…」なんて、篠樹がいる方向に目を遣る。

だけど一方の後藤先生は、もうメンズコーナーに目を向けていて…あたし達の方は見ていないようだ。

でも、そうは言っても…こうやって怪しまれるのは無理もない。


だって、あたしと高桐先生は…