「はぁ...。」
あのあとゆうたからLINEがきて、
「明日、話がある。昼休み、屋上きて。」
この高校は一応屋上が自由解放だ。
私がゆうたに告白したのもその屋上だった。
そしてお昼は必ずそこでゆうたと一緒に
お弁当を食べていた。
私がゆうたにお弁当を作ってあげるのだ。
最初のころは上手くできなくて、お世辞にも
おいしいとは言えないようなお弁当だったのに
「大丈夫、すごく美味しいよ。明日も
期待してるね。」と言ってくれた。
それから少しずつ上手くなっていってる気がする。
たこさんウインナーだって、上手にできるように
なってきた。ただ、ゆうたに誉められたくて
料理の勉強をしたり、COOKPADで調べたりした。
なのにゆうたは私のことを都合のいい女なんて
思っていたんだよね...。
今日も朝、つい癖でお弁当を作ってきてしまったが
渡せるわけない。顔も合わせられないよ...。
多分今日の呼び出しも別れよう。って話なのかな...。
私たち、上手くやってたつもりだったのに。
上手くやれてるって思っていたのは、私の勘違い?
とぼとぼと学校までの道のりを歩く。
私は比較的家が学校に近いから徒歩で登校しているのだ。
ゆうたとは家が近いから必ずといっていいほど
一緒に登校しているのだが、今朝はゆうたにLINEで
「ごめん、今日は遅れそうだから先にいってて。」と
言われたので一人での登校だ。
ひさしぶりに歩く一人での通学路。
なんだか寂しく感じられる。
いつの間にか私はゆうた無しでは生きられない身体と
なってしまっていたのか。
「あぁ...、なんだか可笑しいや。」
その言葉とは裏腹に私の顔は歪んでいた。