ほろり、涙が流れた。

悲しいのか、悔しいのか、腹立たしいのか……もはや訳のわからない涙だ。

先ほど浩介から届いたメッセージには既読だけつけて、返事はしてない。いや、するつもりもない。

「浩介のバカ。良い格好しい。あんたの彼女は私でしょうが……」

放課後のガランとした教室に虚しく消えていく独り言。
流れる涙をそのままに、窓の外を眺める。
西の空を紅く染める夕映えが、嫌味なほど綺麗だ。