俺は、スーツから着替えて

テーブルの上に置かれた手紙を見た。

朝見た夢が忘れられず、

昨日、見るのを途中でやめた所から、また手紙を読んだ。

"それから、俺たちはお互いに
顔を合わせる度に、挨拶をし、話をするようになった。
話すようになってから、2週間がたったとき
放課後、カレンが教室でひとり泣いてる姿をみた。
本当は、そっとしておいた方がいいってことも分かってたはずなのに…
俺はその姿をみて、どうしてもその涙の理由を知りたかったんだ。"

俺はカレンってやつのこと…。

何も知らないのに…。

その姿だって、覚えているはずないのに…。

なぜか、そいつが泣いているところだけは想像できた。

なぜ、泣いていたのか

その理由を手紙を読んで、知りたくなった俺は

そのまま手紙を読み進めた。

"泣いていたカレンに話しかけても、カレンは何も話してくれなかった。ずっと黙ったままのカレンに、俺は
「今度の日曜日、一緒に出掛けない?」と無意識のうちに口から出ていた。
たぶん、カレンを笑顔にさせたいと思ったからだと思う。その時、二人して驚いてたな。
今思い出すと笑えるよ。
俺は自分の言ったことに驚いて、カレンは俺がそんなことを言うとは思わなくて驚いてたらしい。
顔を見合わせた俺たちは、笑い合って、本当に日曜日に出掛けることになった。
その後だった…。
彼女が泣いてた理由を知ったのは…。
俺さえ気づいていれば…。"