神様、どれほど償えば この恋は許されるのでしょうか?


*★*―――――*★*

この道は見覚えがある。

そう思って歩き進めるのに、途中で気づくのだ。


「また、違う…」


この先には、先生がよく行っていた本屋があるはずなのに、大きな道路が川のように横たわっているだけだった。

雨霧に霞んだ景色の奥に鉄塔が見える。

明滅する航空障害灯。

見たことがあるように思うけれど、きっとまた同じことの繰り返しだろう。

決してたどり着けない、夢の中の風景。

梨佳は肩を落とし、家路についた。

雨で湿った制服を掛け、スマホを見ると、由紀から着信とメールがひっきりなしに入っている。

内容を確認することもなく、吸い込まれるように、梨佳はベッドに倒れ込む。

歩き疲れたのと、精神的な疲労感。


――会いたい……


会いたいのに、会えない……

せめて、夢の中でだけでもいいから会いたいと、瞳を閉じる。

あなたの姿が見たいと、

声が聞きたいと、

なのに……

この日を境に、梨佳は夢を見なくなった。