「まあ、あれだな。

神様の計らいって言うヤツだな。

まだ寿命が残ってるからって言う理由で、また“この世”で生きることになったんだ。

ただし、“日出ミヒロ”としてだけどな」

宏美は両手を胸の高さまであげた。

「宏美!」

心美が宏美に駆け寄った。

「だから、ミヒロだってば。

“宍戸宏美”はもういないんだからさ」

宏美が笑いながらそう言った時、
「じゃあ、俺にもまだ脈があるって言うことだよな?」

小祝が言った。

「はっ?」

そう言った小祝に訳がわからなくて聞き返したら、
「だって、ミヒロちゃんなんでしょ?」

小祝が答えた。

「まあ、そうだ…」

宏美が首を縦に振って返事をしたら、
「やっぱり、ミヒロちゃんをあきらめることができない」

小祝が宏美の腕をつかんだ。